予知夢も正夢も、実際に起こる出来事を先に夢で見ることなのですが、どのような違いがあり、どういった内容を指すのでしょうか。
また、そのメカニズムや実例を紹介します。
もくじ
予知夢と正夢の違いや種類
予知夢と正夢はどちらも夢が現実になると思われがちですが、実はちがいがあります。
正夢
正夢は、予知夢の中でも見たシーンが良くも悪くも、そのまま現実で起こる夢を指します。
特徴として挙げられるのは、以下のようなことになります。
・内容を隅々まで鮮明に覚えている為、夢と現実の区別がなかなかつかない
・夢が現実で起こるまでの期間が、比較的短い(数時間〜数か月)
・その夢が正夢だと感覚的に分かる
・朝方(起きる直前)に見る
予知夢
予知夢とは、メッセージ性を持っていて未来の何かを暗示するような夢のことです。
その内容は、比喩的なもであったり意図することが分かりにくい場合が多いのですが、鮮明でインパクトがある内容の為、夢の途中からも目が覚めた後も、それがただ見る夢ではないとはっきり自覚できます。
その時は「何だったんだろう、この夢は」と思っていたら、現実の物事が進み後々になってから「あの夢は、このことだったのか」と、その意味に気付く場合も多いようです。
特徴として、
・数字や色彩、景色などが鮮明に表れ、覚えていることが多い
・目覚めた時に感動や興奮、疲労感が残っていることがある
・現実にその状態になるまでに時間がかかる場合も多い(数か月〜数十年)
等があります。
正夢はそのまま現実になるのに対し、予知夢は名前の通り予知する夢といった広範囲であり、この中にカテゴリーとして正夢も含まれるのです。
「正夢 < 予知夢」というように、正夢は予知夢の一部になります。
では、先に紹介した正夢以外に予知夢としてどのような種類があるのか紹介します。
[予知夢の種類]
・象徴夢
典型夢とも言い、数字・物・形・景色・色彩等の印象的なものが、鮮やかに出てくる夢を指します。
予知するものがそのまま出てくるわけではないので、夢占いや精神分析等で調べてみると意図するものが見えてくるかもしれません。
迷いがあったり、うまくいかない時に見る場合が多く、解決に向けたヒントやその先起こる未来を印象的なもの(象徴)で表しています。
・霊夢
神仏のお告げが現れる夢のことで、登場するのは身近ですでに亡くなった人や偉人等の場合もあり、現実ではありえない相手のことが多いです。
霊夢を見る人は、メッセージやアドバイスを受け取る状況であったり才能や可能性を持った人です。
ただ、現実化するのには時間がかかることも多く、子どもの頃に見た霊夢が、大人になってから気付く場合もよくあるのだそうです。
その為、なかなか夢と現実が結び付かないこともあります。
・デジャヴ
日本語で既視感(きしかん)と言い、よく耳にするデジャヴはフランス語になります。
これは、経験していないことを、既にどこかで経験したかのように感じることです。
夢で見たことを「このシーン見たことがある」と現実で感じるデジャヴのことも、予知夢として考えられています。
しかし、夢であってもなくても多くの人がこのような体験をしていて、予知しているというよりも潜在意識からくる思い込みである可能性も高いようです。
・逆夢(さかさゆめ)
正夢が夢のまま起こる出来事に対して、逆夢は夢で見たのと反対のことが起こってしまう現象です。
その場合も予知夢に含まれます。
予知夢を見るメカニズムとは?
予知夢や正夢を見るのには、何らかのメカニズムが関係していると言われています。
諸説ありますが、有力なものをいくつか紹介します。
偶然
特殊な現象あるいは能力でもなく、偶然という説です。
確率で見てみると、予知夢に限らず予言者の的中は、外れている方が多いといわれています。
予言した内容に近いことが起こった時に、人間がそれを予言が当たったと思い込んでしまっている可能性もあります。
現状、予知夢が当たっているかどうかの確たる証拠もなければ立証するのは難しくもあります。
しかし、ただの偶然では片付けられない実例があるのもまた事実です。
スイスの心理学者、カール・グスタフ・ユングによる「シンクロニシティ」の一つとしても予知夢が挙げられています。
シンクロニシティは意味のある偶然の一致とされており、予知夢については二つ以上の事柄がシンクロすることで起こる現象が定義となっています。
また、予知夢は普遍的無意識(人類が持つ先天的なもの)による願望の象徴とも言われています。
第六感
人間には第六感があり、それが予知夢となって現れるという説です。
「虫の知らせ」とも言いますが、霊感やインスピレーション等に並んで予知もその一つとされています。
更に、睡眠中は起きているときとは脳の働きが全く異なっていること、脳自体や夢についても解明されていないことが多い為、私たちの知らない能力が人間には存在するのかもしれません。
実際に科学では証明出来ていない超能力を持つ人たちの事例が、世界中で報告されています。
量子力学
量子とは物質を形づくる、目に見えない程の小さな素材のことで原子、分子、電子、光子等の種類があります。
目に見える程の大きさのものに関しては、転がったり流れたり、固体→液体→気体へと変化するといった「動くルール」が大体分かっているのですが、この量子においてはこれまでのルールが全く通用せず意味不明な動きをするのだそうです。
その量子の動きを調べるのが量子力学となるわけですが、現在分かっていることの一つに、量子の双子(1つの量子を強い力で引きちぎり2つに分けたもの)を用意した場合、片方が光等の影響を受けた時にもう片方も同じ反応をするというものがあります。
それは地球と宇宙のはるか先の星であっても距離に左右されず、タイムラグも一切無く完全に同時にだそうです。
いわゆる「量子テレポーテーション」と呼ばれる技術なのですが、この原理が予知夢と関連しているのではないかという説です。
この先、量子力学の研究が進むことによって、予知夢のメカニズムも解明されるかもしれません。
アカシックレコード
アカシックレコードとは人間だけでなく太陽、地球等の惑星、動植物、昆虫や微生物等のミクロの世界までを含む宇宙全ての過去、現在、未来のデータが記録された場所を指します。
眠っている時は、顕在意識が薄れて潜在意識に入りやすく、その時にアカシックレコードにつながる場合があるのだそうです。
そこで見た未来が予知夢や正夢になるのです。
なかなか難しいことですが、潜在意識を上手く使えるようになれば、予知も可能になるかもしれません。
有名な予知夢・正夢による予言
実際にあった予知夢や正夢による予言を紹介します。
エイブラハム・リンカーン
アメリカの第16代大統領のエイブラハム・リンカーンは1864年に狙われ、亡くなってしまいますが、その2週間ほど前に奇妙な夢を見たと本人が周囲に話していました。
夢の内容は、泣いて悲しむ大勢の人々が集まる葬儀の中で、誰の葬式なのかと近くにいた人に聞くと「大統領です」と答えたというもの。
そして驚いたリンカーンは棺を確認しに行ったところ、そこには自分の姿があったのだそうです。
これは目撃すると亡くなってしまうというドッペルゲンガー現象の一つとも言われていて、尚且つとても鮮明で現実味のある夢だったのだとか。
リンカーン自身が、何らかの危機を感じていたことから見た夢だったのかもしれません。
エドガー・ケイシー
アメリカのエドガー・ケイシーは、催眠状態の中で予知夢を見る有名な予言者でした。
眠っている時には、前述したアカシックレコードの記憶を引き出すことができたり、超能力を持った別の人格が現れると言われていました。
そして驚くことに、自分が語ったことについて全く思い出すことが出来ず、記録されたノートを読み直すことで初めてその内容を知ることができました。
その内容は、病気の克服法、予防するための食事、健康的な環境等々と広範囲にわたっていて、現在のホリスティック医学の基礎の一部となりました。
もともと無学ではありましたが、ケイシーは1945年に亡くなるまで、生涯かけて病気で苦しんでいる人たちを救うことに力を注ぎました。
地震の予言
まだ記憶に新しい2011年3月11日に起きた東日本大震災についての予知夢も数日前から数多くの人たちが見ていたのだそうです。
中には地震だけでなく、大津波や原子力発電所のような建物が崩壊する夢まで見た人もいるのだとか。
同年の元旦にもブラジルの予言者ジュセリーノ・ダ・ルースが、東日本大震災を予言したことで話題になりました。
彼は英語教師なのですが、9才の頃から不思議な夢を見るようになり、予知夢による予言を行うことで有名です。
その的中率は一時期は90%にもなると言われていました。
ちなみに、純粋な気持ちを持っていたり感性が豊かな人、右脳が発達したイメージ力のある人、霊感の強い人が予知夢を見やすいという特徴があり、子どもの頃に見たという人も多いのだそうです。
そして個人的な意見になりますが、様々な実例を見てみると、やはり不安になるような夢のことは周囲に相談したり共有した方が良いのかなと思いました。
そんな、まだまだ謎が深い予知夢もいつか、解明される日が来るのかもしれませんね。